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  • 執筆者の写真朝野裕一

VARの功罪

FIFA女子ワールドカップ・サッカーはいよいよ佳境に入って来ました。

昨日行われた3位決定戦も単なる順位決定の試合ではなく、お互いの

勝利への執念を感じさせるとても興奮するいい試合でした。

一つ残念なのは、

イングランド前半のホワイト選手のゴールがハンドになってしまった

こと、

確かに厳密に見ればハンドかもしれませんが、それを抜きにしても

とてもテクニカルに高度なゴールだったので、ここはハンドは目を瞑っ

て欲しいなと正直感じました。

この大会から女子の大会にも正式にVARという方法がとられています。

VARとはVideo Assistant Refereeといって試合場とは離れた地で、ビデオ

で判定を下し、レフリーに公式に判断を促す制度です。

あくまで副審の役割なので、最終的な判断は主審に委ねられますが、

主審に提言をする機会が常にある制度です。

過去には男子の大会でも、

今や明らかに誤審だったという場面がたくさんあって、より正確な判断を

下すことがフェアなこととされるのには、賛成なのですが、

一方で、

その都度プレイとその結果を喜ぶシーンが中断されて、嫌な予感ととも

に判断を待つ時間が、流れを重視するサッカーのような試合ではとても

腰を折られるというか、白ける瞬間にもなっています。

そして、

今回の大会では結構(初めて女子の大会で取り入れるという事情もある

のでしょうが)、頻回にVARの判定を取り入れて結果が覆される場面が

多かったように思います。

ある意味少しいい加減(というと語弊がありますが)な部分も残した

遊びというのか余裕というのかを許されない厳密な判定、

それを以前は求めていたにも関わらず、今回のように律儀に取り入れら

れてみると、勝手なもので少しやりすぎじゃぁないかな?と感じるのは

私だけでしょうか?

何かもう少し取り入れる条件とか主審にここだけはVARを使い、それ

以外は原則使わない、みたいな決め事が作れないものでしょうか。

一旦ここまで厳正にVARが使われてしまうと、今度はなんでVARにしな

いのか?と逆の批判が飛んできそうな気もしてきますが・・・。

まぁ昨今はサッカーに限らず、全てのスポーツでビデオ判定がなんらか

の形で取り入れています。

どちらかといえば自分はその方向に賛成だったのですが、今回の厳密な

取り入れ方を見て、やや批判的な視点を持つに至りました。

少なからずの選手がVAR導入に反対のコメントをしていた理由がわかっ

た気がします。

この流れはもう止まらないと思いますが、何か限定的な利用法を考えて

いくようにならないかなぁと、希望しています。

試合の流れと感動が途切れてしまうのはとても勿体ないし、白けた感覚

を持ちたくないが故に、そう思わせる昨日の3位決定戦でした。

とはいえ、

最後まで全力で戦った両チーム(イングランドとスウェーデン)の選手

に拍手を送るとともに、

いよいよ迎える決勝戦(アメリカ対オランダ)では、VARで試合が最終

的に決まってしまうことのないような、クリーンでエキサイトな試合を

期待します。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次回に。

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